行政書士ストックビジネス研究所

行政書士のマーケティング入門だれに・何を・いくらで。客単価を上げる考え方まで

最終確認日:2026年10月28日(次の見直し:2027年4月)|文:行政書士ストックビジネス研究所 所長 嶋 啓二

マーケティングというと、広告やSNSを思い浮かべるかもしれません。 でも行政書士にとってのマーケティングは、もっとシンプルです。「だれに」「何を」「いくらで」「どう届けるか」を決めること。 このページでは、この4つを順番に整理し、売上を左右する客単価の上げ方までお伝えします。

30秒でわかる、この記事の結論

  • 行政書士のマーケティングはだれに・何を・いくらで・どう届けるかを決めること
  • お客様像は業種・地域・悩みでしぼるほど、紹介も検索も集まりやすい
  • サービスは入口・本命・継続の3段で組み立てると、1社の売上が伸びる
  • 客単価は1回の報酬ではなく「1社×1年」で考える
  • 毎月見るのは売上の合計より「毎月入る売上」

行政書士のマーケティングとは

行政書士のマーケティングとは、お客様から「この先生に頼みたい」と選ばれる理由をつくることです。 行政書士が扱える書類の範囲は広く、同じ地域に同じ分野の先生もたくさんいます。 そのなかで選ばれるには、次の4つをはっきりさせる必要があります。

決めること問い
だれにどんな業種・地域の、どんな悩みを持つお客様を助けるか
何を手続きだけでなく、その前後に何を提供するか
いくらで1回の報酬と、続くサービスの料金をどう組み合わせるか
どう届けるか知ってもらう → 信頼してもらう → 相談 → 契約 → 続く関係までの道のり

だれに:お客様像を決める

お客様像は、次の3つを組み合わせて決めます。

たとえば「関西の建設会社で、許可を取ったあと現場の人手が足りずに困っている社長」のように、一人の顔が浮かぶくらいしぼると、 ホームページの言葉も、紹介の頼み方も、提案の中身も決まりやすくなります。 専門分野の選び方は行政書士の開業ガイドでくわしく整理しています。

サービスは、役割のちがう3つに分けて組み立てると、1社のお客様との取引が自然に広がります。

役割中身の例ねらい
入口無料相談・簡単な診断・制度のお知らせ気軽に声をかけてもらい、信頼のきっかけをつくる
本命許認可・在留手続きなどの専門の手続き専門家としての価値を、いちばん発揮するところ
継続更新・届出の期限管理、定期の情報提供、採用支援などの月額サービス手続きのあとも関係を続け、毎月の売上にする

多くの事務所は「本命」だけで勝負していて、「継続」がありません。 継続のサービスがあると、手続きを終えたお客様が、そのまま毎月のお客様になります。 組み立て方は顧問契約の始め方でくわしくまとめています。

いくらで:料金の考え方と客単価アップ4つの方法

客単価は「1社×1年」で考える

客単価を「1回の手続きの報酬」で考えると、上げられる幅はわずかです。1社のお客様から1年間でいただく金額で考えると、打てる手が一気に増えます。

例1年間の内訳(計算の例)1社×1年
手続きだけ手続き報酬 10万円10万円
手続き+月額サービス手続き報酬 10万円+月額 5万円×12か月70万円

※考え方を示すための計算の例です。手続き報酬の10万円は仮の数字です。月額5万円は、採用支援のフランチャイズ「採用定着士」の本部によると1社受注で月5万円前後が多い、という実績をもとにしています。同じ結果を約束するものではありません。

客単価アップ4つの方法

  1. まとめる:一緒に必要になる手続きを、ひとつのパックにする
  2. 段階に分ける:「書類作成だけ」「申請まで」「その後の届出まで」のように、選べる料金にする
  3. 続ける:手続きのあとも続く月額のサービスを足す(いちばん効果が大きい)
  4. 形にする:アフターフォロー(期限のお知らせ・制度の情報)を、サービスとして見える形にする

4つのうち、売上への効き目がいちばん大きいのが「続ける」です。 1回の値上げとちがい、お客様の数が増えるほど、毎月の売上が積み上がっていきます。

どう届ける:問い合わせから契約までの道のり

お客様は、次の5つの段階を通って契約に進みます。どこで止まっているかを見つけて、そこを直します。

段階お客様の気持ち先生がすること
1. 知るこんな先生がいるんだ紹介・ホームページ・地図検索・勉強会(集客方法ガイド)
2. 信頼するこの人はわかっているよくある質問・事例・制度の情報発信
3. 相談する一度聞いてみよう相談しやすい入口と、料金の考え方を見せる
4. 契約するお願いしよう流れ・期間・料金をわかりやすく示す
5. 続けるこれからも頼みたい継続のサービスを提案し、毎月の成果を報告する

毎月見る5つの数字

マーケティングは、やりっぱなしにしないことが大切です。次の5つを、毎月同じ形で記録してみてください。

とくに「毎月入る売上」が増えているかどうかが、事務所の安定を示すいちばんの数字です。

採用支援を「継続のサービス」に

継続のサービスに何を選ぶかで、事務所の伸び方は大きく変わります。行政書士ストックビジネス研究所がおすすめしているのは採用支援です。 行政書士のお客様である中小企業の多くが「人が採れない」と悩んでおり、採用と定着は一度で終わらない、毎月続く仕事だからです。

くわしくは行政書士の売上アップは「継続収入」で決まるにまとめています。 採用支援でどう収入をつくるかは、採用定着士の無料セミナー(PR)で確かめられます。

よくある質問

Q. 行政書士にマーケティングは必要ですか?
A. 必要です。行政書士は扱える手続きの範囲が広く、同じ地域に同じ分野の先生も多いため、「だれに・何を・いくらで」届けるかを決めないと、お客様から違いが見えません。マーケティングは広告のことではなく、選ばれる理由をつくることです。
Q. 行政書士の客単価を上げるにはどうすればいいですか?
A. 1回の報酬を上げるより、1社のお客様から1年間でいただく金額で考えるのがおすすめです。関連する手続きをまとめる、段階ごとの料金にする、手続きのあとも続く月額サービスを足す、アフターフォローを形にする、の4つが代表的な方法です。
Q. 値上げするとお客様が離れませんか?
A. 同じ中身のまま値上げすると、離れるお客様もいます。手続きの前後で何をしてくれるのかを形にして、中身ごと価値を上げると受け入れられやすくなります。いきなり全体を変えず、新しいお客様から新しい料金にする方法もあります。
Q. お客様の業種はしぼったほうがいいですか?
A. しぼるほど、紹介も検索も集まりやすくなります。業種をしぼると、その業界の悩み(たとえば人手不足)がよくわかるようになり、手続き以外の提案もしやすくなります。地域や手続きでしぼる方法もあります。
Q. マーケティングの成果は何で測ればいいですか?
A. 問い合わせ数・相談から契約になった割合・1社あたりの年間の売上・毎月入る売上(月額のお客様の数)・解約の数の5つを、毎月同じ形で記録するのがおすすめです。売上の合計だけでなく、毎月入る売上を見ることが大切です。

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出典

このページの金額は、考え方を示すための計算の例です。実際の料金は先生の事務所ごとに決めてください。

更新の予定:次の見直しは2027年4月です。

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